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第24回 臥翠窯穴窯焼成記録

さてさて、焼いて参りました。まだ体がフラフラとしておりますが日記まで。

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第24回目の穴窯焼成。最近は2日間の焼成を行わなくなって、集中的に長期間の焼成を春秋に焚いています。窯詰めの終わったのが12日夕刻。そのまま火を入れて焼成に入りました。雪解けから乾燥期間がそれほどないので、意外に春の窯焚きは忙しくなることが多いのです。

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天候は順調。連日の春の嵐が落ち着いて来た頃合い。陽気もよく、夜もそれほど寒くなるわけでもなく。非常に焚きやすい天候です。気分も爽快。春らしい天気が嬉しい日々です。穴窯における天候というのは重大要素の1つ。これを疎かにしていては、好い焼物は偶然性に頼らないと出来て来ない。自然と共生的に創り上げていくことが難しくなってしまいます。「自然任せ」と云えば聞こえはよいのですが、実質が「放置」になっているようでは、「自然との産物」では無いのです。あらゆる伝統工芸の名品は、各地の自然を巧く活かすところから始まっている様に感じます。

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まぁそういうわけで。早速2日目にして温度計が壊れました。いやぁ、別に要らないんですが、私以外が焚く時は目安として重宝する側面もありましたので。窯の天井を補修した際の仕事が悪かったようです。とはいえ窯焚きに於いては五感があれば大丈夫。元より桃山時代に名品を焼き上げた陶工はこんなもの全く不要だったのです。元より我が臥翠窯にも、温度計が無ければ焚けないような焚き手は居らず。これまでの積み上げがあります。

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と、そうこうしている間にも時間は進みます。あっという間の3日目。山間の小さな窯場です。煙が上がっているからと、誰が怪しむわけでもありません。山仕事をして焚火でもしているのかな?という辺りです。朝型にはまだ霜が降りて、肌寒い風が吹いています。窯焚きの熱を取るには丁度頃合いの風でもありましょうか。おっとそうそう、地震もありましたね。焚いておりました。しかし多分・・・大丈夫だと思います。もちろん天井から砂が落ちて、いくつかの器がダメになっている可能性はありますが、棚組が崩れたり、器がこけるというような事態もなくありがたい限り。
 
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そうそう。自然の動きと申せば、自宅前の池のほとりにて桜も咲いていました。右は数日前に撮った写真。左が窯焚きの頃、今頃の写真です。我々人間の勝手な感覚からすれば遅いわけですが、この桜にとっては今が咲き頃なのです。廻りの桜が早いのは、やはり植樹による桜であるため。とても雄々しいですね。

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同じ自然で突風も。自然は人の意のままにはならず。さすがに6日間に渡る焼成ですから、ある程度の春嵐は覚悟の上です。この具合によって、春の窯焚きは色々と振り回されることになります。窯焚き作業自体も危険になりますから、突風が来ることを耳で聞いて、龍が通るが如く風の唸り声を聞きのがさない様にしながら焚き上げて行きます。毎年の事なので随分と慣れてきましたが、危険である事は変わりありません。疲れていても油断をさせてはくれません。

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近くで見ると2メートル以上の大きな炎も上がりますが、遠くから見れば小さなもの。人の出来る事というものも、自然の前には本当に小さなものであることを想います。タヌキは歩いているし、牛は柵を突破して徘徊をします。桜は咲き、風は吹き荒れ。どれ1つとして意のままに出来るものがありません。もちろん、窯の中とてどうなっているものか。

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薪もすっかりと消費しつつ。気が付いてみれば最終日へ。 もうずっと薪はこれ一本。間伐材かコワ材(丸太から四角柱を切り出した残りの廃材)です。今ももちろんですが、昔とて材木は貴重な生活資源。今で云う電気もガスも建築材も、全てを材木が担っていた時代の事を想いながら。薪材を最も無駄遣いした時代はやはり昭和だったりします。今は土も燃料も好き放題に使っていて、なかなか自然への感謝の度合いが著しく低い時代です。

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しかし昼は暑かった。気温は真夏かというようなもの。そして窯の不調発生。ここに来て想定外の出来事。窯は1300度の高熱原体なれば、出来る事には限りがあります。ともあれ、なんとか収まってくれて有難く。しかしこれで、完全に結果が分らなくなりました。試験的に思っていた事も投入して。意欲的に焚いた側面と、不調に拠る色彩と。どれがどう組み合わさり、影響しあうかは未知数。むしろそれが自然の美しさでしょうか。

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終了は予定通りの時刻にて。皆の協力ありてこそ。ともあれどうなっているものか心配ではありますが、 ともあれ無事に終えて何より。6日間に渡る窯焚きなればこそ、1人では到底不可能なもの。いつもながらではありますが、有難いものです。もちろん、薪の手配から何から。土の恵みにも感謝。

第24回穴窯焼成:4/12~17日 6日間 春穏やかな桜の頃に

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論者:吉村祐

吉村祐


〆真の茶陶を求め、忍びの里にて古伊賀を追う日々。1980年生。
陶工:吉村 祐 (ユウ)
窯場案内:伊賀丸柱から北へ10分、信楽から東へ20分程の山中。

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