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焼物感覚の隔たり

今日は色々と連絡などが忙しい日。電話が多く在りましたか。春が近い感があり、私も何か、ソワソワと落ち着かないというか、何かやらねばならんというか、妙に焦りのような感覚があります。

そういった中で。最近は焼物感覚の誤差を思案しています。

水漏れや、歪みや、カタツキ、また重量などなど、「本格」というものは、およそ「格別」のものであって、つまり「普通一般の常識的感覚とは異なるもの」であることの方が通例です。私もまぁ、元々の素材が平凡な人間でありまして、別に高貴な生まれでもありませんし、忍術修行をしたわけでもありませんから、「普通の感覚を忘れていないツモリ」で居たのですが、最近は少し・・・。

「一般的感覚の変化を考慮出来ていない?」

というコトを想ってます。浦島太郎じゃありませんが、田舎に籠って「茶道と茶陶と畑の生活」ですから、街中に住んでいた頃の感覚は、「もう古いのではなからうか?」、と思っている次第。茶碗一つを見る目にしても、ここ数年で見違える程に変わって来たという自覚もあります。同じ様に、世間も変わっているのかなぁ、と。

いや別に、迎合しようとか、そういう話ではありませんが。

まぁ少し、当座の収入のために別途の思案も必要ですが。

ともあれ、足りぬ部分の説明を、もっともっと、慎重にしなければならんなぁ、と思っています。例えば焼締では、もちろん吸水性があるので、水を張ると、器が吸った分だけ水位が下がるわけです。だから、花入にしても水指にしても、用いる前に一時間程度、水に浸けておいたりするわけで、点前の直前に入れたりすると、蓋を開けたら水位が眼に見えて下がっているコトになります。焼締は水を吸ってこそ色に更なるツヤが出ますし、浸透が効き始めて気化熱による水温維持も始まります。水が循環して腐りにくくなります。だからこそ、濡らした敷板を用いたりするわけです。もちろん昔からの方式ですから、過去の名品だって同じ話です。

と・・・。私の感覚では常識なのですが、なるほど、一般的には非常識というか、「水位が下がる」など全く想定外であるようで。よくよく想ってみれば、同じ現象が起きるのは楽焼とか萩焼、あと焼の甘い志野などでしょうか。非常に少ないですね。特に最近のものは防水加工がしてあって、薄く作って在るので水位もほとんど変わらない。稽古道具で水位が下がる様なことは、まずありません。だから、驚いてしまう。更に使った跡に水蒸気の輪が残るとなれば、驚くばかり「水漏れではないのか?」という結果になるわけです。なるほど、よくよく説明書を付けないといけないなぁ・・・と反省しました。

こういう事を御客さんから教わって、初めて気がつくわけで。

茶碗などもそうですが、磁器でも高台は「土」でありまして、細かい砥石のようなもの。普通に漆器にキズが入ります。元より砥石の粉末は、磁器の材料になるようなものも多いわけで、よく丸卓などでも輪キズが残っていますね。別に信楽の様に石が含まれていなくても、キズは付くのです。だから、すべからく気を入れて丁寧な離着陸をしなければなりません。これも、とても基本的な感覚なので、「丁寧に置く」というものは「見た目の演出だけではない」という話です。加えて茶碗は高台が狭いものが多いし、茶入れなども不安定な尻すぼみが多くあり、丁寧に置かないと転げてしまいます。まぁ、こういう合理的説明ばかりというのも問題がありますけれど、物理的な直感力というものは随分と個人差があります。職人はすべからく、この物理的な直感が研がれている場合が多いので、我々に普通に解ることが、他人には解らないという事が、往々に。

自分には見えているが他人には見えていないことって、人それぞれ得意分野などなどあろうかと思いますが、何が解ってもらえていないのかがハッキリと掴めないので、説明を尽くすことが難しい。

人々の常識的感覚も変わっています。より一層、離れていく方へ。
だからこそ、本格指向である程、より詳細な説明が必要になる。

と、こんな事を痛感致しました。いや勉強になります。
まだまだ解ってないことばかりですね。

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論者:吉村祐

吉村祐


〆真の茶陶を求め、忍びの里にて古伊賀を追う日々。1980年生。
陶工:吉村 祐 (ユウ)
窯場案内:伊賀丸柱から北へ10分、信楽から東へ20分程の山中。

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