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大徳寺と大名と茶道。

今週は花月稽古の日。花月が五回、立礼の稽古を一回という辺りにて、非常に回数多く稽古を付けて頂いた。随分と暑い頃合いになって来て、単衣の季節もあっという間でしょうか。夏の茶会は少ないと申しますが・・・

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今の手持ちで、近々六月後半~七月の茶券です。レアモノ多数?楽しみな茶会ばかり。特に大徳寺にては小早川隆景法要もでありますが、昨夢軒という武野紹鴎好みの四畳半茶室。なかなか、数百年に一度でありましょうほどの大修繕が完成したそうであります。

大徳寺関係のマメを書いておきますと、戦国時代の大徳寺・妙心寺という二大禅寺というものは、簡単に云えば檀家制でありました。当時の主流は東大寺などを始めとする荘園収入方式ですが、禅寺は違います。檀家といっても普通の庶民ではないもの。近畿だけではなく、「全国の戦国大名」の菩提寺として存在しました。武田信玄であろうが、上杉謙信であろうが、伊達正宗であろうが、大友宗麟(「宗」=大徳寺法号)であろうが、大徳寺に寄進を行う事によって、流転敗亡の恐れがある領地ではなく、確実に京都で代々の菩提を弔って貰える様に、また、後継者育成の為に帝王学である儒教・道教・兵法に通じた高位の禅僧を招いて養育の師としたり、見込みのある者として直江兼続だの、足利義昭のように長子以外の子息を剃髪出家させて禅寺にて修行を積ませたり。足利義昭や今川義元などは還俗して大名となった人物。こういったマメが無いと「元坊主に突然大名が勤まるか?」と反応してしまいますが、当時の出家というものには色々な意味があります。まぁ・・・義昭と義元では例が宜しく無いかもしれませんが、少なくとも義元の方は東海一の弓取りとして善政家であった様で、他の例としては関東北条家の始祖である北条早雲も禅寺修行を積んだ者の1人です。格式の高い寺院として、観光地としても多くが見学謝絶となっていて、本来の寺院らしい側面がありますね。小さな寺院が国宝の天目、及び井戸を所持している辺りも、大名から預けられる形で納まったものです。

小早川隆景は・・・三本の矢、五大老という辺りで思いだされるでしょうか。毛利家の政務を取り仕切る辣腕家という辺りで語られる事が多い人物ですが、九州征伐や小田原の陣、朝鮮出兵などでも活躍し、豊臣姓と直轄領を拝領しています。直江兼続みたいな位地でしょうか。

で、先の話に戻りますが、「大徳寺黄梅院」は毛利家の菩提寺として寄進・建立されたもの。大名が檀家という事は、そういう事になります。もちろん、萩にも有名な菩提寺がある様に、当時は「複数の宗教に帰依する事」も通常の感覚でありました。黄梅院には蒲生氏郷の墓も存在しており、豊臣家の寄進も多い様子。天目所持の龍光院は黒田官兵衛の黒田家が寄進建立した菩提寺でありますし、井戸所持の孤篷庵は小堀遠州が建立した寺院となります。

まぁ、大名の間で茶道が流行する、という下地には、こういった①菩提寺であり②京都(中央)との繋がりという中で、大徳寺・妙心寺という二大禅寺で行われていた禅茶というものが繋がっていく。例えば「利休が天皇に拝謁する際に大徳寺の法号を得た」という事で判る様に、禅僧は「地方大名が直接朝廷に連絡を取るための手段」でもあるわけです。菩提寺という事、禅寺という事、禅僧と云う事、茶道というもの。歴史を知るには、あらゆる事象を複合的に総括しなければ認識したと云えません。茶道書籍、歴史書籍、どちらの書籍を読んでも、こういった事は書いていません。

底の浅いマスコミなどテレビで語る様な、「茶道が流行した」とか、「格好いいとされた」とか「御政道である」とか、そういった「時代の流行物」として捉えていると、全く当時の時代背景を勘違いしてしまいます。お殿様が行うことというものは、およそ厳選されているのが通例であって、庶民で流行したからといって採り上げる事はありませんわな。念仏踊りとか、一向宗であるとか、そういう事はあまりやりません。


長くなるのでマメ話はこれくらいで。



窯焚きが近いのですよ。

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論者:吉村祐

吉村祐


〆真の茶陶を求め、忍びの里にて古伊賀を追う日々。1980年生。
陶工:吉村 祐 (ユウ)
窯場案内:伊賀丸柱から北へ10分、信楽から東へ20分程の山中。

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