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青龍寺の茶会

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今日は茶会の水屋方。会場は大津市坂本・黒谷青龍寺。由緒ある浄土宗の寺院で、大津市の中でも三井寺などの古い地区にあります。叡山焼き打ちで焼失していたものであるけれど、戦後になり、青少年育成道場としての役割と共に再建されたとか。淡交会の研究会会場でした。大きな釜で湯が煮え立たせてあり、庭園なども綺麗になっておりましたか。


茶会記。席主は宗道師。

床。墨蹟。「宝剣在手裡」。大山蓮華に竹花入。香合は冠(放巾子ハナチコジ・加冠の儀に用いる冠。)のもの。点前座で目立つのは染付水指。湖東焼にて柳に燕。井伊直弼の好み柄。およそこの辺りの取り合わせで一座の感触あり。釜は大西五郎左衛門。大西家初代・浄林の弟の作であるが、私は釜の考察力が浅いので何とも。

茶碗は仁土斎。こちらは四代・楽一入の庶子の家系による玉水楽。ロクロで挽いたかに感じる器胎は大らかでありつつ、奇も衒わない嬉しい形。棗は黒大棗。裏千家創始たる仙叟の在判。茶杓は七哲・瀬田掃部。

もちろん、道具ばかりが茶会ではないけれど、道具に託して語られるのも茶会。瀬田掃部と黒棗に利休あり。「宝剣」の言葉も利休を想う。竹花入も同じく。これを「断じて行う」という辺りに井伊直弼の茶道思想あり。主流であるとか、傍流であるとか、流行であるとか、そういった事に囚われることなく、宝剣を持って己の道を拓いた人々の作。宝剣は仏の手にあるわけでもなく、他人の手にあるわけでもなく、また、使うかどうかも自分次第。宝剣が己の手にあるという事。「主人公」という公案?に近いのかなぁ、などと思ってみました。自分がやらねばなりません。

感じ方は様々自由ですが、私は「叱咤激励」を感じた次第。


途中に雨も過ぎ、涼風の中で行われた茶会でありました。170名程の御客様。
研究会も勉強させて頂きました。


余談。

そういえば、帰りの車中でフト気が付いたのですが。利休って、秀吉の相談役でありますが、つまりは茶頭と云いつつ、禅僧の役割を果たしていたのですね。当時の戦国大名は、多く禅僧を参謀に迎え、政治指南役として禅僧を招いておりましたか。それは一重に、中国の治世学(四書五経)、及び兵法(武経七書)を保有した禅僧の学識に対する信仰でありました。そういった中で、利休のユイゲにしても、「切腹」という武士扱いにしても。「茶人・商人」ではなく、「禅僧」の扱いではないか!、と思い当りました。

例を挙げるまでもなく、例えば有名な太原雪斎(妙心寺の禅僧。戦国大名屈指の名家・今川家の栄時指南役にして、政治から軍事、時には総大将の役割さえ任される。同時に、家康に治国兵法の教育を行った人物でもある。)など、もちろん「僧」ではあるが、どう考えても武士以上の扱いが為されてしかるべきもの。同じく妙心寺派の安国寺恵瓊は戦国大名になっているし、将軍。直江兼続の師も妙心寺禅僧。伊達政宗の師である虎哉宗乙などなど。(この当時は妙心寺派が最大勢力だが、派閥に関係なく師として招かれている。)

様々あるけれど、そういった「僧」を「刑に処する」となった時。

「元商人」なんて事は、全く気にするものではない。

この当時の価値観に照らせば、どう考えても「茶人利休」よりも「禅僧利休」の方が格式が高い。認識としても高い。「千宗易」は「大徳寺派の禅僧」なのである。よって、利休の死に関して「商人の世界が終った事を示すためである」などという考え方が噴飯ものである事が判明する。「禅僧の切腹」という事実は、「商人の階級差別を提示」する事にはならない。


まぁ、これ以上は憶断になるのでコレクライにて。う~ん、小説作家も意外と勉強が浅いぞ。

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論者:吉村祐

吉村祐


〆真の茶陶を求め、忍びの里にて古伊賀を追う日々。1980年生。
陶工:吉村 祐 (ユウ)
窯場案内:伊賀丸柱から北へ10分、信楽から東へ20分程の山中。

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