開炉の頃

11月になりまして。稽古場も全ての炉が開かれて、気候もすっかりと冬支度でしょうか。善哉を頂戴しての稽古も1つの楽しみであります。亥の日は26日で在ったそうですが、なるほどちょっと亥の日と言われてもなかなかピンと来ないのは勉強不足であります。

ただ「陰の日」と言われても以前なら「・・・そうなの?」という感覚でありましたが、昨今は日没にせよ気候にせよ、何か境界となるような時節を感じることも在り。例えば昨日今日。周囲の木々が、目に見えて紅葉を始めました。色々なものが同時に紅葉を示してくるものですから、「折り返しの日がなんとなく在ったであろう」ことを感じるわけです。きっと昔の人はもっと自然に鋭敏だったろうかと思いますから、明確にその日を感じたりしていたのではないでしょうか。

色々な自然の動きを知るほどに鋭敏になるもの。空の色なども好い指標でしょうか。個人的に空の色、奥行きの変化は楽しい物だと思います。もちろん住居する地方にも拠るのでしょうか。有田などは尖った山が多く、中国地方はこんもりとした山多くして、近畿地方は比較的なだらかな山が多い。関東などは平野ですね。それぞれに空の脇役である山並みも変わります。空が澄んでいくほどに月も綺麗なものですね。

正月。炉。実際本当に寒くなって、火が欲しい季節。炬燵やストーブも使ってます。古い日本式家屋は寒いです。野菜もちょっと狭間でしょうか。色々なものが一度停まって、これから色々と動きだす時期。自然に準拠して正月を決めるなら、なるほど今の時期というのは始まりの季節であることを感じます。


さてさて。炉の季節。またぞろ勉強の課題も多くなって参りました。


論者:吉村祐

吉村祐


〆真の茶陶を求め、忍びの里にて古伊賀を追う日々。1980年生。
陶工:吉村 祐 (ユウ)
窯場案内:伊賀丸柱から北へ10分、信楽から東へ20分程の山中。

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