|
   さて、窯は3の間も積みあがって、焼成室が出来上がる。この外側にアーチが来るのだが、よくよく考えるとアーチの基礎も同時に積んでしまうべきであった。見ての通り、3の間の奥をかなり絞っているが、炎を切るという観点からすると絞らない方が良いかもしれない。何にしても、此処まで来ると一段落。設計と実際では、やはり想像と異なる部分が生じて来る事も多く、寸法に関しては実際の感覚を優先して変更を加え、レンガの積み層も厚めに変更。更に妙なものも組み込む事となった(妙なものが知りたい方は窯場まで御来場下さい)。窯屋任せの寸法通りではなかなかこうは行かぬし、修理も難しくなろうが、自分で作ると、どこで何をやったかしっかり覚えているところは大きな利点。何より経験を手にする事である。 で、中央写真は煙道。地が盛り土になるのでしっかり搗き固めて砂礫で締め、それからの積み上げになる。当初予定では煙道を2m伸ばす筈だったが、勾配が強いので相当な高さに盛り土する必要がある。想像以上に高かったので、煙道を太くして短くする方向に変更。窯が小さいだけに、この影響がどう出るかは少し心配ではある。駄目なら改良するまで。 次いで右。火が近すぎるので拡張する必要あり。写真の、小生らしからぬ几帳面な掘り下げ。父の手になる作業である。感謝。薪投入の作業性を考えながら作っていく。なるべく楽が出来るように。焚き口の前は落とし穴の様に1m程度深いが、小生の小さな窯で煙突は地上1m近い高さになる。平地に、大きな窯で強い勾配を作っていく作業が如何に無理のあるものかを理解。なるほど山の斜面から離れられないわけである。
窯の次の段階は、アーチの基礎と、アーチ。写真の通りに組んでいって1mのアーチ。無論、アーチは半円とは限らないので、組み方次第。棚組が楽なのは側壁高く、アーチの円弧を低く描けばよいのだが、強度に問題が出る。逆にガス窯の様に固定してしまえば面の天井を作る事も可能だ。炎の流れなどが関係するので適当にするわけもいかぬが、結局やってみる他無し、という事になる。一度造ってしまえば改造が最も手間のかかる部位。
同時に薪も手配。手配と云っても、買うと相当な金額になるので、このあたりが工面の為所(しどころ)である。薪と云えば松が一般的。しかし、甲賀を車で走ってみると良く分かるのだが、ここは忍者の話でも触れた様に、古来寺社建築の木材が伐採されたところ。つまり、豊富なのは杉と桧であって、松というものは非常に少ない。綺麗な杉林の風景が通常なのだ。しかし、昔から焼成に松を使う信楽。小生の工房である牧場周辺にあった松林も、20年くらい前に業者が来て持って行ったという話。。如何に無理をせねば松の薪が手に入らないかを物語っていると云える。薪屋を通すと、自然破壊も目に付かなくなるのは、魚や肉と同じであろうか。取りあえず、当面は祖父の家に溜め込まれた杉の薪をもらってくる事に。山の中に家があるので枯れ木を順次薪に割ってしまって、風呂焚きに使っているのである。が、無論使いきれるものでも無いので薪の山があちこちにある。でも、松は早々生えていないもの。現時点で、松に拘るつもりは無いので、こちらもやってみる他無し。
(余談) 本ブログでは、”意図的”かつ”恣意的”にカタカナ語を使う事を避けているのですが、アーチに関しては代替日本語で通じるものも無く、難しいものだと考える次第。レンガは煉瓦の当て字あり。アーチは・・・弧組み?弧積み?弧天井?
テーマ:陶芸 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2007/07/19(木) 09:59:33|
- 築窯記録
-
-
| コメント:0
|