自然釉・伊賀

・自ら設計・築窯した穴窯。粘土を掘り出し、薪は廃材利用。全てを自らの手で。
・無釉。焼成時の灰のみを飾りとし、炎に乗せて焼く自然釉。伊賀はその至高に在るもの。
・作品は左の記事内容分類⇒作品・焼成記録を御覧ください。

お知らせ
臥翠窯のこと
・次回焼成: 第12回穴窯焼成終了です。短期信楽焼成。ガス窯も?。
・御来窯: 最寄は新名神甲南ICで、要連絡です。柑子の居宅にて直売もあります。
・連絡先: 下記Webサイトにて御案内しております。左下にメールフォームあり。
・個展: 正式な初個展は未開催。去年は百貨店など行脚販売を中心に。今年は・・?


他のこと
・Webサイト: 8割方が工事中ながら、ドメイン取得。http://gasui.jp/です
・常設販売:伊賀長谷園・伊賀作家ギャラリー
     /小生自宅などで直売(要訪問予約)。
・販売終了:12月:福屋百貨店(広島)
  御蔭さまで無事に終了です。ありがとうございました!


!今後の販売予定!
⇒2/17日〜2/23日:そごう・西武・ロビンソン百貨店・春日部(埼玉県春日部駅前)(埼玉)
5階陶器売り場にて小規模展示。最終日4時。会期中販売に出張りますので、宜しゅうに。
⇒4/17〜18:清水クラフト(静岡・国内屈指のクラフト祭り)⇒選考通過。
⇒5月:伊賀長谷祭りか、信楽祭り(春)、9月:セトモノ祭り、10月信楽祭り(本祭)

詳細:販売期日の少し前辺りに記事にて御案内致します。
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窯出し結果

第十二回の窯出し結果・・・。

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まぁいつも通りと思いきや、

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後列が焼け不足だったので焼き直し。


三月に本焼成を、と思って松を温存しようとしたのが駄目だったかな。湿気った杉で焚いていたせいか、弱冠温度が鈍かったのですが、まぁ灰は融けているので問題無かろう、と判断したんですが・・・。蓋を開けてみると、融けていたのは表一枚だけだった様で、二〜三時間ほど不足だった様子。油断せずに、きっちりと体感温度を持って行くべきでした。 

と、いうわけで、今回も作品としての写真は無し。まぁ、信楽焼成の作品は販売用という側面が強く、作品としては伊賀ですから、別によろしいんですが。

ちなみに今日は午後から来訪客さんが。訓練校の先輩であるオサ氏と、三河で穴窯を焚いておられる鈴木氏。山野草の片手間といいつつ、なかなかの薪窯巧者。となれば、窯の構造の事から焼成の事から、色々と伊賀の事やら窯の事やら、茶道の事やらと話も盛り上がり、という所でした。薪の事なども、色々と知見を交換したり。写真は無いですが、それぞれの作品も持ち寄りつつ、茶を点てたり、図録を拡げてあれこれと。

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で・・・談義の末、鈴木氏の元へ参り候となった伊賀壺。全方位からして景色満点、文句なしの伊賀。外に出すという事では、信楽祭りの時に非売で展示してましたか。看板商品の壺であり、もちろん個展用の品。特に実物となると、過去作の中でも上位指折りの品であります。鈴木氏も薪作品の扱いは元より、本業としては自然の草花の事をされているので、色んな面での扱いに詳しい方なれば、有り難い事で。なかなかやはり、こういった思い入れのある作品というのは、行く先も気になるものですから、感謝する次第であります。

もちろん、鈴木氏も穴窯を焚いては居られますが、なかなか、この手のビードロ伊賀を焼ける人は現代の作家には居ないという事で、今後の研究材料としても御役に立つことでしょうか。折々に窯を焼いて居られるとの事ですから、三河へ遊びに行く事もありましょう。

ともあれ、3月末?の次回本焼成へ向け、大いに励み・刺激となる事で。個展への指向も考えつつ、好い作品を焼いていこうと思います!
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2010,02,08 18:04Edit

思案色々

今日は茶道で。金曜日か土曜日に稽古に出てます。水・金・土・日の曜日のどこかで出ればいいんですが、水曜日は夕方から3時間?くらいだし、日曜日も午前中だけなので。長時間稽古が出来るのが金曜と土曜で、朝から昼3時〜4時くらいまで。さすがに今日は窯焚きの疲れ?が少しは残っていた様で。正座の耐久力が低かった様に思います。

今日のとこでは台目薄茶点前、棚点前。所作に関して細かい点などの修正を指導してもらいました。細かい点ってのは、それこそ細かいもので、やれそこはもう1cm上を持つであるとか、指の曲げ具合が足らんとか、茶筅の振り方であるとか、足捌きの流れが悪いだとか、そういった事です。茶道的な見地で云う所の”格好良く”というのは、有態に云えば”自然に”という事であり、”違和感のない”という事ですから、素人的に何気なしに見ると、巧い程に、どこが凄いのか判らない。名人芸によくある話ですが、”簡単そうだし、自分でも出来そうに見える”という性質のものになるでしょうか。陶芸もその世界ですね。

ともあれ、小生はまだまだですから、柄杓の構え方1つからして、5~6人?くらいの茶道教授陣から指導を受けつつ。

「そんな事してどうするの?」なんていう話にしても、今日の講和で1つの答えも。人間修養。別に茶道の教養がどうとか、そういう事ではなく、そういった細かい点まで気を配って一連のものを成立させ、誇示無く謙虚に心配りを行える人間になってこそ、「本当の茶」というものが点てられる。茶の修行と人間修養は、まぁ禅的なものもあり、一聯のものという事でしょうか。それ故に、道具誇示の様な茶になっても苦々しいし、点前ばかりの心無い茶というものも均衡が無い、というもので不安定なもの、歪なもの。

そういった意味で、茶道具というものの存在価値というものは、改めて考えるべき所も大いにあります。

何故、楽家の茶碗は無条件で高価なのか?という事1つ採ってみても、陶芸家の多くは「長次郎はええけど、まぁノンコウくらいまで。あとは駄目だよ。」と云います。続いて、「楽家だったら何でも有り難がる茶人が多く、全く、今の茶人には陶器というものを見る目が無いね」という言葉が続くわけです。「利休が関連してれば何でも好いって有り難がる気持ちが判らんよ」、と。まぁ実際、陶器の美的評価としては小生も似たような裁定を所持している処があります。

ですが、文脈、という言葉を使うのは小生、あまり好きでは無いのですが、どうも茶の世界で見ると、「利休に関連しているから有り難いものである」という性質・文脈が存在している事は確かなもので、それには十分な理由がある様に感じています。ここらを理解している陶芸家は少ないと感じますが、如何なトコでしょうか。判り易く説明すると、「茶人は一様に千家、つまり利休の弟子」と云えるわけです。この感覚はおそらく、茶をやればやるほどに強い感覚を持つことになるものかと思います。

で、同時に茶の心得として、師匠というものを非常に尊重する心があります。禅でも同じくですが、師のものであれば、例え落書き1つでも、その美的価値に関わらず粗末には出来ないものです(現実はどうあれ、建前理想として)。そうすると、利休の弟子たる事を自覚・自認・自任すればするほど、利休に関わるものを尊重する事になります。桃山の陶器もそういった付加価値部分が大きく存在します。桃山の茶陶は、同時代の利休という存在が抜ければ価値も随分と下がるものではないでしょうか。

楽家が特別扱いであるのは、何も美的に優れていたり、伝統があるから、という事だけでなく、「単に利休に近しいものである」という理由だけでも「十分な付加価値」を持つ様です。空海さんが彫った仏像があるとすれば、その門下を自任する者が、「下手くそである」とか、「美的価値が低い」という事で仏像を放り出すでしょうか。楽家というのは、結局は利休の創作とされているわけですから、それが粗末に扱われるという事は、基本的にはありえない話になります。また、そういった意味では、素人作家なりプロの作家なりが好い品を作ったとしても、茶の世界において美的価値は評価基準の1つでしか無い、という事を念頭に置く必要があります。

そういった事を念頭に置くと、茶道具の価値を決めるには色々と考える必要があります。陶芸家の精神論からすれば、細かい心配りの効いた、品好く、風情好く、歴史を感じる様な名品を思案して初めて高値を付ける事が許されるわけで、ただ「抹茶碗だから高い」、とか、「相場だから」という様なものは、所詮は商売人根性なのかもしれません。「高値のものを売りたいだけじゃないのか?」みたいな。本当に「抹茶碗を心利かせて作ったもの」なればこそ、「抹茶碗」という気がします。それが理解されるかどうかはその後の話で、「どうせ判らないんだから高値でいいじゃないの」というのは商売根性ですね。

真っ当に考えていくなら、好い出来の、僅かな心利いたる作品は高値を付けても、量産であるとか、手抜き、出来に不足のあるものは、例えそれが茶道具だとしても、やはり安値でえんじゃないか?、という事を思ったりしています。

まぁ、簡単にまとめると、「”茶道具だから高い”ってのは、”心利かせたる陶器だから高い”という意味なら正解だけど、必ずしも美的価値を基盤とはしない。」という話でした。とはいえ、それでも、某殿様とか、楽家ってのはベラボウに高値を付けていて感心できないものがあります。まさに殿様商売という感じがします。商売人根性あるからこそ、需要に応じて値段が釣り上がるんでしょう。で無けりゃ、も少し安くてもいいでしょうに。まぁ、茶道具に高値を付けるってのは利休さんもやってた事ですし、どこからが茶道具として高価なのか?という線引きも容易ではありませんが。ともあれ、公募展やら何やらと権力闘争の話を知るにつれ、陶芸家側も、陶芸界首領の中からして、も少し茶道的な精神を修養した方が好いんじゃないの?と思える事、多々だったリします。

ま、人の事を云う前に自分の修養で手一杯なんですけれど。

茶の湯の修行(裏千)|トラックバック(-)|コメント(0)
2010,02,06 01:02Edit

第十二回 臥翠窯穴窯焼成(信楽)

予定通りに昨日・一昨日で焚いてきました。2日間の短期信楽焼成です。

初日・2月2日。
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早朝出発。車は使えそうにないので歩いて出発です。早朝5時半。お隣の村まで、いつもなら車で5分の距離なのですが、雪道なので徒歩で25ほど掛りました。雪道を歩いていると、時々動物の足跡なども。

 
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到着する頃には夜が明けてきて、少し明るくなってきました。


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で、早速に焙りを開始します。短期焼成なので手早く昇温させるんですが、もちろん全ての作品は素焼きされていない状態です。生素地の状態からの焼成ですから、焙りは最低でも3時間は掛ける必要があります。普通、穴窯ですと8~12時間くらいが標準的なトコでしょうか。大壺が多かったりすると時間が掛ります。

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2時間後くらい。丸太を使うと焙りも楽に進められます。冬刈りの生木が大量にあるので、丁度良く。上の写真とは微妙に位置が変わっていますが、少しづつロストル(下部の空気吸入部の名称)の中で薪を燃やすようにします。ロストルがあると、焙りで消費する薪の量も少なく済みます。(といっても、攻め焚き時に換算すれば微々たる消費量なので節約とは云い難いんですが。)

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日和は、雪明けの晴れ。陽射しが出て、雪も随分と融けてくれます。気温はまぁ低いモノですが、焚き手とすればそこまで辛くはありませんでした。今回は窯廻りを覆うブルーシートも増量したので、比較的窯焚き環境は好く。

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夜には煙突から炎が出ますが、そこまでの勢いはありません。いくら温度を上げたとしても、さすがに煙道・煙突が焼けるトコまでは持って行く事が出来ません。松を多くして効率燃焼させると大炎が得られますが、それでも、冷えた煙突では煙が上がるばかり。色が変わる程に焼けた煙突で初めて、炎は上がります。煙突が焼ければ焼けるほど炎の温度は上がり、炎の温度が上がるほど、炎は明るい色になります。煙というのは、言ってみれば低温の炎です。

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翌日も陽射しあり。とはいえ、朝方には大雨が降り、昼前には乱気流、粉雪が降り始めるという、何とも忙しい天気でした。 雪も日陰を除けば大半が融けてくれました。

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気温は低く。窯焚きには適した気温でしたが、今回は大炎を得るには至らずに窯焚き終了です。ちょいと不足感がありますが、仕方ないでしょう。要因としては、シケ木での焼成であった事でしょうか。湿った杉の薪ばかりで、最近は松を節約気味です。何とか湿った薪で温度を上げようと粘ったんですが、やはり難しいものがありました。最終的に雑木と松を使って昇温させ、終了です。

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窯を閉じたのは2時頃。32時間ほどの焼成です。お疲れ様でした。

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おまけ。
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今回は焼成途中で薪を放り過ぎてしまって、棚組にあった茶碗が落下。已む無く引出を行う事と相成りまして、そちらの茶碗です。側面は好いのですが、オキが入り込んで内側が未溶の灰の残った茶碗になりまして、まぁ落ちた位置からして仕方なく、というとこでした。内側に溶け残りを残さない様にするには、窯詰め時点での工夫が要ります。あと、井戸型の茶碗を引き出すってのは、ハサミ(窯の引出専用棒。棒の先に掴むハサミが付いている道具。欲しいけど高価です。)を持たない小生にとって至難の事でした。ただの棒で釣り上げるのは危険な技です。


以上、第12回の焼成記録まで。短期はサクッと終わりますね。

2010.2/2~2/3 短期焼成 天候:雪〜晴、乱気流あり。

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2010,02,04 13:10Edit

準備は完了したけれど

さて、窯焚きの頃合いとなりました。冬は窯焚きと気温との寒暖差で神経がやられるもんで、短期焼成です。四〜五日ってのは夏より辛いですからね。

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朝から窯詰めしていると・・・

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何だか雪が降って来て・・・

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準備が完了する頃には・・・

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あらら・・・。四時頃ですが、今もって降り続いているので、さて困ったもの。窯焚き中に積雪ってのは、第二回焼成の時でしたか。その節は随分と寒かったものですが、今年も随分と寒い日が多いです。しかし枯れ木に積雪風景となると、随分と寂しい景色ですな。

家が近くて良かった・・・と思いきや、何とも明日の天気はどうなる事か。早朝に窯焚き開始予定だったのですが、この分では徒歩でお出かけ。窯焚きの援軍もちょいと足止めでしょうか。どうせ独りで焚くなら、もう焚き始めてしまおうか?と迷ったんですが、まぁ無理する事もないか、と、今日はとりあえず帰って来ました。


窯、の方は色々と改良する点も少し手を付けました。小生の窯は何とも独自色が強く、色んな機能・構造が付属させてあるんですが、最近は使って無いものも多く、それらの整理などを少しづつ。一挙に変えると失策であった場合に困るので、少しづつ、です。

今回の焼成品としては、湯呑、茶碗、水指でほとんど8〜9割が埋まっています。ホントは板皿なども作っておく予定だったのですが、乾燥が間に合わず。代わりに組み込んであるのは、粉引。とりあえずの調合で、試験的に茶碗を8碗ほど。本来はガス窯のつもりで作り始めた釉薬ですが、何とも初試験は穴窯となりました。多分、お見せできるようなものは無理だと思いますが。釉薬は釉薬で、皆さん苦労されてますから。

ともあれ。明日?か、場合によっては明後日からの焼成になるかな。

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2010,02,01 19:27Edit
論者:近江の苔

近江の苔


〆恐れを知らぬ駆け出しの陶工。自然釉随一の陶工を目指し、その道を独自に模索する日々。近江の国は忍びの国の出自にして現29歳。甲賀忍者の里、甲賀市甲南町は磯尾に穴窯を築き、自然釉・伊賀の世界を追う。窯名"臥翠窯"(ガスイガマ/ガスイヨウでも)。
作家名:吉村 祐 (ユウ)
(近江の苔はHNです。)

窯場への案内:下記の交通案内記事を御覧照下さい。
(伊賀・丸柱から北へ10分、信楽・長野から東へ20分程の山中です)

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